電力会社が買取るのは余剰電力だけ
ドイツやスペインなどのように活発ではないにしても、日本でも太陽光発電による電力を電力会社が買い取る制度は進んでいます。2010年からは高値での買取も始まるとか?
太陽光発電システム設置の補助金制度と併せて本格的な普及の弾みになればいいのですが。
日本政府は環境関連ビジネスで雇用を生み出すグリーン・ニューディールの一環として、近年ようやく本格的な太陽光発電産業のテコ入れに乗り出しました。2020年までに日本メーカーの世界シェアを3分の1まで引き上げることで、約10兆円の経済効果と最大約11万人の雇用創出を見込んでいるそうですが。
先行したドイツの実績を見て、日本政府も5年ほど遅れてFIT(フィード・イン・タリフという投資促進プログラム)の導入に踏み切ったものの、電力会社による買い取り価格は1kWh当たり23円、それに対し太陽光発電による発電コストが1kWh当たり49円程度(2007年度実績)。これではあまりメリットが感じられないため、買い取り価格を電力料金の2倍程度(50円弱)まで引き上げることで、家庭での導入意欲を喚起する計画だと言います。
電力会社が買い取るのは家庭での使用分を差し引いた余剰電力だけです。太陽光発電システムの一般的な投資回収期間は15年程度と試算されていて、それまでの20年超よりは短くなりますが、普及に勢いをつけるには投資回収期間を10年以下にできるくらいの高額買取が必要ということになるのでしょうが、発電全量の買取というわけにもいかないでしょうし、困難は伴いそうです。
ドイツについで高額買取制度を導入したスペインでは普及が進みすぎて太陽光バブルともいえる状況に陥り、ドイツも今では買取価格を下げ始めているという状況にあります。
これらを考えると買取価格はかなり慎重に検討しなければならないようです。
しかし、そもそも太陽光発電は「売電」で儲けようとか、回収期間を短くしようとかいうためにあるシステムではなく、地球環境の保全のためにという大義名分をどこかへ飛ばしてしまっているのではないかと不安です。